不動産の用語集

【ア行】

RC造(アールシーゾウ)

鉄筋コンクリート造。RCとはReinforced Concreteのこと。引張り力に強い鉄筋と圧縮力に強いコンクリートのハイブリッドで、火に弱く酸によりサビやすい鉄筋を、アルカリ性のコンクリートが覆うという理にかなった構造である。鉄筋が欠けても、コンクリート欠けても成り立たない構造のため、RC造のことを「鉄筋造」と略すのは素人である。

S造(エスゾウ)

鉄骨造。SとはSteelのこと。重量鉄骨と軽量鉄骨に分かれる。積水ハウスや旭化成などの、ハウスメーカーが建てる賃貸住宅に多い。堅牢なイメージがあるが、柱と梁に鉄骨が使われているだけなので、界壁の性能が悪いと上下左右の部屋の物音は普通に聞こえる。

オーナー

建物や部屋の所有者のこと。大家さん。賃貸の契約ではほぼ貸主と同義だが、まれにイコールの関係ではないこともある。(参照:【サ行】サブリース)

【カ行】

貸主(カシヌシ)

賃貸人。借主に対して部屋を貸す人。財閥系の大手の不動産会社(法人)だったり、親から土地を相続して賃貸経営をしているリッチなおじいちゃん(個人)だったり、ワンルームマンション投資をしているサラリーマン(個人)だったり、様々。

借主(カリヌシ)

賃借人。貸主から部屋を借りる人。民法の特別法である借地借家法によって手厚く保護されていて、実は数ヶ月家賃を滞納したり、部屋をゴミ屋敷にしたり、隣人に嫌がらせをしたりしても、滅多なことでは貸主側から追い出されることはない。

管理会社(カンリガイシャ)

貸主から依頼を受けて物件の管理を行う会社。入居中の不具合(エアコンの故障、騒音トラブル、鍵の紛失など)の窓口となるため、管理会社がきちんとしているかどうかで入居後のストレスに大きな差が出る。大手だと安心できるが、地元の小さな不動産屋の方がフットワークが軽いこともある。戸数が少ない物件では貸主が自分で管理していることも多く、その場合は管理会社=貸主となる。

原状回復(ゲンジョウカイフク)

賃貸の契約が終了する際に、借主の負担(敷金から精算をすることが多い)で部屋を入居時の状態に戻すこと。ただし、通常の生活による損耗や経年変化による損耗については、借主は原状回復義務を負わない。退去時に1番トラブルになりやすい。(参照:【タ行】賃貸住宅紛争防止条例)

【サ行】

サブリース

オーナーから物件を一括で借り上げた不動産会社が、第三者へ転貸すること。(参照:【マ行】マスターリース)

敷金(シキキン)

賃貸の契約時に貸主へ預けるお金。預け期間中の利息はつかない。基本的には契約が続く限り引き出すことはできず、退去をする際に部屋の原状回復費などが差し引かれ返金される。住居の契約では賃料の1ヶ月〜2ヶ月分が一般的。店舗の契約では保証金と呼ばれることが多い。(参照:【サ行】初期費用)

借地借家法(シャクチシャッカホウ)

土地や建物の賃貸借に関する事項について定めた法律。宅建試験の時に嫌というほど勉強する。

重要事項説明書(ジュウヨウジコウセツメイショ)

その名の通り、契約に関する重要な内容がまとまっている書類。宅地建物取引業法により、国家資格である宅地建物取引士が、契約締結前に書面を交付して相手方へ説明する義務が規定されている。不動産取引の契約前の最後の儀式のようなもの。重要事項説明を省くことは法律違反なので、説明を省略したり、宅地建物取引士でない人が説明をするような不動産業者と出会ったら要注意。(参照:【タ行】宅地建物取引士)

初期費用(ショキヒヨウ)

賃貸住宅の契約の際に、貸主や管理会社へ支払う費用のこと。家賃、共益費、敷金、礼金、仲介手数料、保証料、火災保険料、鍵交換費など。部屋を借りるのには結構お金が必要なんです。

【タ行】 

宅地建物取引士(タクチタテモノトリヒキシ)

宅地建物取引業法に基づいて定められている国家資格。年に一度の宅建試験に合格し、所定の登録を行うことで名乗ることが出来る。国家資格の中で一番合格するのが簡単だとバカにされがちだが事実である。重要事項説明は宅地建物取引士しか行うことが認められていない。(参照:【サ行】重要事項説明書)

賃貸住宅紛争防止条例(チンタイジュウタクフンソウボウシジョウレイ)

「東京ルール」と呼ばれる東京都のローカル法。退去時の原状回復のトラブルを防ぐ目的で、2004年10月に施行された。経年劣化による原状回復費は貸主負担、入居者の故意・過失による汚損や破損は借主負担というのが原則。ただ、特約が認められているため、契約によっては管理会社が定めた特約の内容だけで書類が何枚にも及ぶこともある。

デザイナーズマンション

建築家が設計をした賃貸住宅のこと。タワーマンションなどの高級賃貸やリノベーションをしただけの住宅がデザイナーズマンションと謳われることもあるが、それらはデザイナーズマンションではない、と私は思っている。RC打放しの内装などが多いが、もちろん建築家が設計した住宅なら木造でもデザイナーズマンションである。

【ハ行】

保証会社(ホショウガイシャ)

賃借人が家賃を滞納した場合に、賃借人に代わって賃貸人へ家賃を建て替えて支払う組織。連帯保証人のアウトソーシング。従来、賃貸借契約では賃借人に連帯保証人をつけて契約することが多かったが、滞納の際の取り立ての手間などから、最近では連帯保証人が不要で、保証会社の加入が必須の契約が多い。オリコフォレストインシュア、日本セーフティー、Casa、エポスカードROOM iDなど、様々な会社が存在する。(参照:【ラ行】連帯保証人)

【マ行】

マスターリース契約

不動産会社が第三者へ転貸(サブリース)することを目的に、オーナーから一括して物件を借り上げること。オーナーにとっては空室の家賃保証を受けらるなどのメリットもあるが、きちんとした知識がないと「かぼちゃの馬車事件」のように痛い目を見ることになる。(参照:【サ行】サブリース)

木造(モクゾウ)

木材を用いた構造。防音性能は低く、上下左右の物音は普通に聞こえる。住民の質が悪いと、毎日騒音に悩まされることも。ただ、木の温かみは何物にも代えがたい魅力があるのも事実である。

【ラ行】

礼金(レイキン)

賃貸の契約時に貸主へ支払うお金。敷金と異なり退去時に返金されないため、完全な出費である。戦後、住宅不足が続いていた時からの慣習で、部屋を貸してくれる大家さんに対するお礼の気持ちとだと言われている。強制的なお礼とはいかがなものか…。不人気物件や古い物件では無いことが多く、人気物件や新築の物件では賃料の1ヶ月分が一般的。英語ではkey moneyという。(参照:【サ行】初期費用)

連帯保証人(レンタイホショウニン)

債務者が金銭の返済などをしない場合に、債務者に代わって返済をすることを約束した人を保証人という。そして、保証人に与えられる催告の抗弁権、検索の抗弁権、分別の利益を排除された人を連帯保証人という。催告の抗弁権とは、例えば債権者から保証人が「貸したお金を返して欲しい」と言われた場合に、自分より先にまずは債務者に請求して欲しい主張できる権利。つまり、催告の抗弁権が無い連帯保証人は、債務者と同等の債務を負うことになる。連帯保証人になってくれと頼まれたら、家族からの頼みであっても慎重に…。